この度の個展に寄せて

 絵は四角形の中の世界といった約束があって、キャンバスの木枠も
額縁も既成のサイズで大量生産されます。
私もその約束事の中で絵を描いてきました。
しかし、私のメインテーマである「重力の意志」の表現をめざして『水のない滝』をつくるには、
木材での立体構成を続ける必要がありました。
その構成の単純化を進めるうちに生まれたパターンを「定形」としたのです。
 私的な表現上の意味をこめた「定形」です。
立体からさらに「定形」はキャンバス(平面)の形にも求められるようになり、平面定形へと表現を
移行して来ました。
《「定形Fc−1」のFcとは?》Fはフラットを表し、「定形F」は平面定形cパーターンの1番目の作品と
いう作品番号になります。
ちなみに、立体定形は「定形C」(Cはキューブ)となり、立体定形にもいくつかのパターンがあります。
 私のメインテーマである「重力の意志」について、うまく表現できませんが、一般的に重力については、
物理的作用としてのみ扱われていると思います。
しかし、精神的作用もあると思うのです。
 私たちが精神的に深く、高く、豊かであるためには、重力の精神面での作用を受けとめることが
大切だと思われるのです。
 欲望という名の生命力は限度をこえて拡大をめざすエネルギーで、破滅へと暴走しかねません。
そんな場合の暴走へのブレーキ作用として「重力の意志」は必要だと思われてなりません。
 21世紀を宇宙への世紀として、重力の物理的作用を問題とするならば、
それ以上に精神的作用についても問題にすることが大切だと思われてなりません。
そうしないと、あらゆる面で、地球が破滅へ向かうのではという不安を感じてしまうのです。
21世紀に人間の危機意識の表現方法として、これからも希求していくテーマだと考えています。
山田宏修
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